L先生のイタリア語レッスン
2008年 11月 30日私たち人間は、言葉によって感情、思想等全てを表現できる。
また、話すことは悪魔祓い(ストレスの発散、自己の悩みからの開放)でもある。
フロイトは、人間は話すことで精神的な悩みから開放されうるとして、「お話し療法」をあみ出した。
・・・以上は、久しぶりに行ったイタリア語のプライベートレッスン中、先生のLが言ったこと。
日本人は想いが深いほど敢えて言葉にしないこともある、と私が述べたことに対するLの意見なのです。
素晴らしい。
普段の何気ない会話の中にも、突如として哲学的だったり心理学者のようなことを言うイタリア人はけっこう多いのですが、なかでもLは言葉に対する感性が鋭く(だからこそイタリア語教師としても一流なのです)、彼から紡ぎだされる含蓄に富んだ言葉にはいつも圧倒されてしまいます。
思わず、「ブラーヴォ!」と言った私ですが、日本人の中では相当なお喋り好きの部類に入る私(イタリア人の中に入れば多分普通かな)としては嬉しいのですよ、Lの意見。
だって、無駄なお喋りもそれなりに意味があるってことじゃないですか。
Lがいうには、パソコンが壊れたっていうようなことでさえもイタリア人だったら1週間は話題にしてるっていうのです。
一方日本人の多くは、いつまでも文句言い続けたってどうしようもないんだから早く解決法を考えようというでしょう。その方が建設的であり合理的です。いつまでも愚痴をいうのは、ネガティブなことだし時間の無駄なのです。
でも、愚痴をいうことが一種の悪魔祓い(!?)であり、自己の悩みからの開放、つまりフロイトのいうお話し療法の一環であるのなら、いえいえ、さらに言えば、唯一人間だけが与えられた能力であるのなら、とても意味のあることに思えるではありませんか(笑)。
イタリア人のとりとめのないお喋りも、まさか全員がフロイトを意識してそうしてるわけではないだろうけど(ありえないし!)、単なる時間のロスではなかったのですね(笑)。
イタリア語の勉強だけじゃなくためになるお話も聞けて、実り多きレッスンでした
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・印象に残った表現・・・・・・・・・・・・・
trasformare tutto in parole
全てを言葉で表現する
esorcizzare con parole
言葉によって悪魔祓いをする
(話すことで自己を悩みから解放する)
captare
=intendere per intuito
(思想などを)つかむ
by puntarellina
| 2008-11-30 14:26
| イタリア語