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VIVA イタリア映画祭3

元カノ/カレ
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イタリア人やスペイン人の知り合いからの評判もけっこうよかったし、ブリッツィ監督ということできっちり笑わせてくれるだろうと、毎年映画祭に一本だけ観に来る友人にもこの映画を勧めたのですが、思った以上に楽しい映画で、友人もとても喜んでくれました。

とはいえ、その友達は無類の映画好きで、どんな作品でも好奇心を持って観てくれるので、今から思うと「重なり合う時」とか「ジュリア~」とかも観てもらいたかったな。

ともあれ、この映画はいつでも楽しんで観れそうなので、イタリア版DVD(イタリア語字幕付き)を購入し、イタ語学習を兼ねて時々観たいなと思いました。それに、日に2本も3本も観賞する映画祭ではコメディが1本あると気分転換にもなっていいです。こましゃくれたことをいう子供を、父親が「まるでナンニ・モレッティの子供みたいだ」っていうのが可笑しかったです。ナンニ・モレッティからのクレームは来なかったのでしょうかね(笑)。

重なり合う時
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怖かったです。こんなに本格的なサスペンスとは思っていなかったので、怖いところでは逃げ出したくなりました。端の席だったら本当に会場を飛び出してしまっていたかも。
観賞中は怖そうな場面の時は目をつぶってしまいたかったのですが、聴覚的にも怖い映画だったので目をつぶると音でなおさら驚くだろうし、会場にいるみんなも一緒に観ているのだから・・と自らを励ましながら頑張って観ました^^;。

終わってみれば、最後までちゃんと観て本当によかったと思いました。単に怖いというのではなく、ストーリーもよいのです。そしてなにしろ役者が巧いのですよ。主役2人が。クセニア・ラパポルトは言わずもがなですし、男優のフィリッポ・ティーミは「勝利を」でベニート・ムッソリーニとその息子の二役を演じたあの人だったのですね。すごすぎる・・・

あと、終盤の種明かしもすごく面白かったです。

意外な結末に関しては、現実ならこれはありそうな感じ、と思いました。ハリウッド映画ではありえないかもしれませんが、このへんがイタリア映画たる所以かもなんて思ったりして。ちょっとシルヴィオ・ソルディーニの「風の痛み」の結末も思い出しました。

観た直後は怖さだけが印象に残ってたけど、日が経つごとに怖さが薄れてきて、作品の良さをしみじみ味わえるようになりました。もう一度落ち着いて観たいです。

やがて来たる者
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重くて辛い映画だということはわかっていましたが、見逃せないと思いました。実家から帰ってきて東京駅に到着したのが15時25分。映画の開始が45分でしたので、20分で新幹線から映画祭会場へ。近いので結果的には楽勝でしたけれど。

ともあれ駆けつけた甲斐がありました。どんなに辛くてもこれは現実の出来事であるし、戦時中の日本軍だってどれだけ残酷なことをしてきたのか。そこから目をそらしてはいけないのだと思いました。

それにこういう機会でもなければ観ることのない映画で、知ることのなかった歴史的事実を知ることもでき、イタリア語学習者としては実にありがたい機会を与えてもらったと思います。

女の子がとてもかわいいこと、とても果敢であること、子どもゆえの強さや正義感が、絶望の中に輝く一筋の希望であり、救いでもありました。


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さて、以上10本を観賞したわけですが、それぞれに良さがあり、どれもこれも観てよかったと思うものばかり。

その中でも特に印象に残った映画を考えてみました。
で、一週間たった今でも印象深く残っている映画は次の2作。

「ジュリアは夕べに出かけない」「重なり合う時」です。

そして特別賞は、
「勝利を」「頭を上げて」かな。「ただただ圧倒」と「気になって仕方がない」って感じ(笑)。
「勝利を」は、マルコ・ヴェロッキオ監督とのQ&Aがあったことで、より作品に近づけた感もあります。

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by puntarellina | 2010-05-09 23:17 | イタリアあれこれ