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スペイン語で日本文学に興味をもつ

今週はスペイン語レッスンで、ガルシア・マルケスの近代日本文学に関する記事を読みました。3ページの短い記事で、今週は半分読んだので来週後半を読む予定です。

そうとう難しいんじゃないかと思ってちょっと警戒したんですけど、読み始めたらそんなこともなく、とても楽しく読むことができました。題材が近代日本文学っていうのも興味深かったんです。で、川端康成の「眠れる美女」のことが中心に書かれているんですけど、

数年前に出版されたガルシア・マルケスの「わが悲しき娼婦たちの思い出」って川端康成のこの小説にインスパイアされて書かれたものなんですってね(先生はコピーだって言ってたけど・・)。

で、さっそく興味を持って「眠れる美女」読んでみました。

川端康成は、若い頃に数冊読み、当時はさほど感銘も受けず好きなタイプの作家ではないと思ってたのですけど、

今回「眠れる美女」を読んで、ものすごい衝撃を受けました。

文章が美しいだけに、気持ち悪さが尚更際立つといいますか・・・。

そしてあのラストシーン。


異常な世界はもともと好きな方だけど、この異常さは尋常ではありません。

若い頃読んでいたら嫌悪感しか感じなかったかも。


で、怖いもの見たさもあって、たまたま家にあった「美しさと哀しみと」も読んでみました。

これも引き続き異常な世界です。。。

あとがきを読むと、川端康成はこの「美しさと哀しみと」の雑誌への連載と同時進行で「古都」も別の雑誌に連載していたらしいのですが、当時は睡眠薬の濫用で、後にその頃の記憶がほとんど失われてしまうほど異常な状態だったそうなんです。「古都」の執筆後にいったん睡眠薬の服用はやめたそうなのですが、禁断症状で10日間意識不明に陥ったのだそう。そんな中でも中断されずに執筆されていた「美しさと哀しみと」ですから、異常じゃないはずがないのです。

それにしても、スペイン語の授業がきっかけになって日本文学への興味が沸くとは・・・・^^;

ところで「眠れる美女」を買いにいったついでに「痴人の愛」も買いました。谷崎潤一郎は好きな作家ですが「痴人の愛」は読んだことがなかったので、このチャンスに一気に読んでしまおうと。谷崎潤一郎の作品は須賀敦子さんの翻訳でイタリアでも出版されていますよね。私も手元に一冊あるので、そのうちイタリア語でも読んでみようと思います。

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因みにこのガルシア・マルケスのコラム記事は
Notas de prensa. Obra periodístico 5(1961-1984)の中の
「EL AVIÓN DE LA BELLA DURMIENTE」です。

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by puntarellina | 2009-04-15 22:47 | スペイン語