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なにげに復活しているブログですが、まあ、それはいいとして(^^;

先日、近所のミニシアター(というよりミニミニシアター)で「抵抗」を観てきました。ロベール・ブレッソンってとっても有名な映画監督だったらしいのですが、私はむか~し買った映画の本を先日パラパラめくっていたら偶然この名前を見つけ、この作品にも興味を持ったのです。

それに、ナチに捕われたフランス軍中尉が収容所からの脱走を試みるという、つまり脱走ものっていうストーリーにも惹かれました。

とはいえ、古い映画でモノクロで、静かでテンポも遅そうな感じがしたので、退屈だったらどうしようという不安もよぎったのですが、もー、スリル満点の映画でしたよ!!

映画を観ている間中、緊張のあまり体を硬直させていたみたいで、上映後、体を動かそうとしたらギシギシ音がしそうでした。

なにせ、彼の動作ひとつ、たてる物音ひとつにハラハラドキドキしてしまって。これって、会話も音楽も映像もすべてにおいて抑制が効いているからこその緊迫感なんだな~とつくづく感じました。

そして印象的なラストシーン。あ~素晴らしかった。

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尚、この映画は、岩波ホールでリバイバル上映されていたらしいです。
下がそのときのポスター。写っている女性は「海の沈黙」の主役です。こちらもミニミニシアターで鑑賞しましたが、戦時中におけるフランス人の誇り高き精神を描いた素晴らしい作品でした。
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by puntarellina | 2010-05-27 10:28 | 好きなこといろいろ

VIVA イタリア映画祭3

元カノ/カレ
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イタリア人やスペイン人の知り合いからの評判もけっこうよかったし、ブリッツィ監督ということできっちり笑わせてくれるだろうと、毎年映画祭に一本だけ観に来る友人にもこの映画を勧めたのですが、思った以上に楽しい映画で、友人もとても喜んでくれました。

とはいえ、その友達は無類の映画好きで、どんな作品でも好奇心を持って観てくれるので、今から思うと「重なり合う時」とか「ジュリア~」とかも観てもらいたかったな。

ともあれ、この映画はいつでも楽しんで観れそうなので、イタリア版DVD(イタリア語字幕付き)を購入し、イタ語学習を兼ねて時々観たいなと思いました。それに、日に2本も3本も観賞する映画祭ではコメディが1本あると気分転換にもなっていいです。こましゃくれたことをいう子供を、父親が「まるでナンニ・モレッティの子供みたいだ」っていうのが可笑しかったです。ナンニ・モレッティからのクレームは来なかったのでしょうかね(笑)。

重なり合う時
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怖かったです。こんなに本格的なサスペンスとは思っていなかったので、怖いところでは逃げ出したくなりました。端の席だったら本当に会場を飛び出してしまっていたかも。
観賞中は怖そうな場面の時は目をつぶってしまいたかったのですが、聴覚的にも怖い映画だったので目をつぶると音でなおさら驚くだろうし、会場にいるみんなも一緒に観ているのだから・・と自らを励ましながら頑張って観ました^^;。

終わってみれば、最後までちゃんと観て本当によかったと思いました。単に怖いというのではなく、ストーリーもよいのです。そしてなにしろ役者が巧いのですよ。主役2人が。クセニア・ラパポルトは言わずもがなですし、男優のフィリッポ・ティーミは「勝利を」でベニート・ムッソリーニとその息子の二役を演じたあの人だったのですね。すごすぎる・・・

あと、終盤の種明かしもすごく面白かったです。

意外な結末に関しては、現実ならこれはありそうな感じ、と思いました。ハリウッド映画ではありえないかもしれませんが、このへんがイタリア映画たる所以かもなんて思ったりして。ちょっとシルヴィオ・ソルディーニの「風の痛み」の結末も思い出しました。

観た直後は怖さだけが印象に残ってたけど、日が経つごとに怖さが薄れてきて、作品の良さをしみじみ味わえるようになりました。もう一度落ち着いて観たいです。

やがて来たる者
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重くて辛い映画だということはわかっていましたが、見逃せないと思いました。実家から帰ってきて東京駅に到着したのが15時25分。映画の開始が45分でしたので、20分で新幹線から映画祭会場へ。近いので結果的には楽勝でしたけれど。

ともあれ駆けつけた甲斐がありました。どんなに辛くてもこれは現実の出来事であるし、戦時中の日本軍だってどれだけ残酷なことをしてきたのか。そこから目をそらしてはいけないのだと思いました。

それにこういう機会でもなければ観ることのない映画で、知ることのなかった歴史的事実を知ることもでき、イタリア語学習者としては実にありがたい機会を与えてもらったと思います。

女の子がとてもかわいいこと、とても果敢であること、子どもゆえの強さや正義感が、絶望の中に輝く一筋の希望であり、救いでもありました。


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さて、以上10本を観賞したわけですが、それぞれに良さがあり、どれもこれも観てよかったと思うものばかり。

その中でも特に印象に残った映画を考えてみました。
で、一週間たった今でも印象深く残っている映画は次の2作。

「ジュリアは夕べに出かけない」「重なり合う時」です。

そして特別賞は、
「勝利を」「頭を上げて」かな。「ただただ圧倒」と「気になって仕方がない」って感じ(笑)。
「勝利を」は、マルコ・ヴェロッキオ監督とのQ&Aがあったことで、より作品に近づけた感もあります。

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by puntarellina | 2010-05-09 23:17 | イタリアあれこれ

VIVA イタリア映画祭2

バール・マルゲリータに集う仲間たち
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プーピ・アヴァーティ監督の作品ははずれも時々ありますが、「心は彼方に」を断トツ筆頭に「二度目の結婚」「ジョバンナのパパ」がそれぞれに印象深く、今回も期待していました。そしてネーリ・マルコレ(この作品ではなんでも数を数える人)が出ているのを知り、これは面白い映画だと確信。眠い目をこすりつつ朝イチでいった甲斐がありました。イタリアならではのコメディという印象を持ちました。 

勝利を
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良いとか悪いとかを超越したところにある作品だと思いました。ジョバンナ・メッツォジョルノは大好きな女優さんですが、ここまでの迫力とは。マルコ・ヴェロッキオ監督の作品は、圧倒されるか爆睡するか(退屈なのではなく難解すぎて私にはついていけない^^;)のどちらかなのですが、これは間違いなく前者。こういう作品を見せてもらえることこそが映画祭の醍醐味かなと。

ハートの問題
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キム・ロッシ・スチュアートとアントニオ・アルバネーゼが共演したら、コミカルで哀しくて、ハートフルな映画かしら・・・?と思わせ、そしてその期待をよい意味で裏切らない映画でした。ステファニア・サンドレッリやカルロ・ヴェルドーネが、まんまの役柄で出てきたのも面白かったです。大好きな映画です。

頭を上げて
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最後がええ~っ??という感じで観終えた直後は感想の言いようもありませんでした。最後のエピソードが余分だと思ったんです。でもパンフレットで監督のこの映画への想いを読み納得。

「できるだけ人生に近い映画を撮ろうとすれば誰でもおもうはずだけど、人生は決して連続した道すじを辿らないから、ぼくらが何年がかりで計画を進めていても、不慮の出来事で突然、やり直しや方向転換を迫られたりするよね。これが脚本の出発点だった。」(映画祭パンフレット、監督へのインタビュー記事より引用)
確かに現実の世界では、映画や小説のように筋道たてて物事っておきないですものね。それを映画で表現したかったってことなのでしょうか。

又、監督は「メロがソーニャをプールに連れていくシーンで映画を終わらせるという大きなプレッシャーがあったけれど・・・」とも述べているので、どのような展開が観客に受け入れられやすいのかとを分かった上での筋書きだったようですね。監督のチャレンジャー精神(?)に敬意を表したいと思いました。観客が気に入るであろう筋書きに背を向けたっていうのが面白いです。

私はメロとソーニャが心を通わせ、いつしか惹かれあい恋愛に発展・・・というのを期待し、半ば確信していたのですけど、アルモドバル映画観過ぎじゃない、な~んて声も^^; 

敢えてこのような盛りだくさんの映画にしてしまった監督の次回作が早く観てみたいです。何故ならチャレンジ精神旺盛な人って一作ごとに成長しそうだから。

                                  ・・・つづく
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by puntarellina | 2010-05-06 22:46 | イタリアあれこれ

イタリア映画祭1

イタリア映画祭、東京ではもう終わってしまいましたね。

今年は座談会にも行けず、例年よりも行ける日が限られていたので、満足できずに終わってしまうかしら・・・と思っていたのですが、まったくの杞憂でした。

なんとか時間を工面し、結果10本観ることもでき、そしてそのどれもが、観てよかったと思える作品であったというのが、本当に嬉しかったです。個人的には今までで一番満足のいく映画祭でした。
ラインナップもバラエティに富み、重いのあり軽いのあり、ハートフルなものありサスペンスありと、一日3本観ても、いつも新鮮な気持ちで次の映画に臨めたというのは、とてもよかったです。そのお蔭で私には珍しくうたたねすることもなかったし・・^^v

加えて嬉しかったことは、今回ほんとうにたくさんの人と会えたこと。新しい方との出会いもありました。イタリアでは何人もの友達が誘いあって映画に行き、観賞後はああでもないこうでもないと感想を述べ合うことが多いのですが、その習慣を思い出しました。

さて、当初は映画祭の記事を書くつもりはなかったのですが、あまりにもみんなよい作品ばかりだったので、備忘録にちょっとした感想を書きとめておくことにしました。
(ネタバレあり。粗筋未記入のため観賞した人以外にはわけがわからないかも^^;)

「ただ、ひとりの父親」
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知り合いのイタリア人が面白かったよと言ってたのですが、実は主役にもテーマにもそれほどの興味もなく、あまり期待していませんでした。でも、とってもハートフルで後味の良いでした。主役も写真で見るより動いた方が魅力的。又相手役のディアーヌ・フレーニは、数年前に東京国際映画祭で上映した「マイ・ブラザー」にも出ていた女優さんなのですけど、彼女の笑顔が魅力的でした。

「ジュリアは夕べに出かけない」
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観終えた後も暫くの間、グイドやジュリアを思っては、余韻にひたっていました。果たしてグイドはどうするべきだったのか、ジュリアが救われる道はなかったのかを考え続けずにはいられなかったのです。

グイドは優しい男性なのだと思いました。それほど美男でも魅力的でもないけれど、人をけっして拒絶しない優しさがある、だからこそあのような状況にあるジュリアも惹かれていってしまう。
孤独で精神的にも追い詰められた状態にある時、人は、自分を受け入れてくれる人に寄りかかりたいもの。それがグイドだったのかなと。

グイドがずるい男には私は思えませんでした。優しいけれど優柔不断な弱い男なのだと思いました。ジュリアを受け入れたことも、ジュリアに娘と再会させてあげたことも、彼の最大限の優しさであり良心だったのだと思います。でも、それは結果的にとても中途半端で無責任なものとなってしまい、それによってジュリアの絶望は決定的なものとなってしまうのです。ジュリアはグイドに出会わなければ、出所を迎える日まで水泳のインストラクターをし、それなりの人生を送れたのかもしれない。

でもたとえその後に絶望が待っていようとも、人を好きになり、そして娘に再会できる希望を抱けたことの方がよかったのか。これは答えのでない問いなのかも。

そういえば、終盤ジュリアが嫉妬をむき出しにするシーンがあり、一瞬「危険な情事」を思い出しました。そのまま2人共々破たんに向かうのかと思ったのですが、ジュリアは身を引くのですよね。嫉妬を表現したことで、その後の彼女の選択がより重いものに感じました。

ただ、グイドは元のさやに収まってズルイという見方をする人もいたので、それもなるほどと思いました。私自身、再度観た時にまた印象が変わるのかもしれません。


コズモナウタ-宇宙飛行士
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監督は女性の方なのですが、インタビューで「本物の思春期を描きたかった」と述べているように、女の子が少しずつ大人になっていく過程が丁寧に書かれていて面白かったです。ふふっと笑わせてくれる場面もあり、また自分の思い通りにならないがゆえに意地悪になってしまうシーンにちょっと苛立ったり、その一方で、こういうことって私にもあったなあと思い出させてくれたり。
あと音楽もとってもよかったです。cuore mattoは、アルモドバルの「バッド・エデュケーション」でも印象的なシーンで流れていましたが、60年代を代表する曲なのですね。

・・・続く・・・
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by puntarellina | 2010-05-05 23:08 | イタリアあれこれ