トリノからの贈り物
2011年 07月 15日彼女が別れ際、トリノに戻ったら、イタリアの物をなにか貴女に送ってあげるわねって言ってたけれど、全く期待なんてしていなかったんです。もちろんしていただく理由もなかったし・・・
なので、本当に驚きました。あんなにクオリティの低いガイディングだったのに。
しかも、私、実は残り数日間のガイディングを断ってしまい、彼女を一人ぼっちにしてしまったんです。
微熱があって、翌週実家に帰る予定だった私は、被災地にある実家で風邪が悪化してしまうことを恐れ、ガイディングより病院に行くことを優先したんです。
彼女に悪いなとは思ったのだけれど、直前の依頼で具体的なプランは全くきまってなかったし、ボランティアだから断ってもよいはずと。
できが悪いなりにベストを尽くしたのなら、プレゼントが届いたことを純粋に喜べたでしょう。
でも、私は、小包の差出人が彼女だったことを知り私を想い出してくれたことへの感謝の気持ちでいっぱいになる一方で、後悔と後ろめたさでとても切なくなりました。
そして、包みを破いてプレゼントを見た時は思わず胸がギュッと締め付けられました。
映画博物館の本が入っていたのです。
私がトリノにある映画博物館に行きたいって言ってたのを覚えてくれてたんです。
私の体調がもっとよくて、もっと彼女と一緒にいてあげられていたら・・・・
私のイタリア語力がもっとあって、彼女をもっと上手にガイディングしてあげられていたら・・・
私がもっとできた人間で、彼女に対してもっと親切にしてあげられていたら・・・・
私は、彼女に対して全然思い入れがなかったんです。
ボランティアでも、経費は出してもらっている以上、当然ながら相手の歩調に合わせ、相手の意のままに動く必要があります。
体調の悪かった私は、疲れたなぁとか、休みたいなぁとか、喉が痛くて喋るの辛いなあとか、ネガティブなことばかり考えていたのです。
でも、彼女にとっては私がおそらく日本で唯一のガイドだったわけで・・・
彼女は息子さんが日本で仕事をしているので、きっともう一度来日して下さるはず。
その時は是非再会し、彼女の滞在がより楽しいものになるようお手伝いをさせていただけますように・・・・と今は願うばかりです。
by puntarellina
| 2011-07-15 11:57
| イタリアあれこれ