イタリア映画祭2日目

この日観たのは「ジョバンナのパパ」。

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1938年、ボローニャ。美術教師として働くミケーレの最大の関心事は、可愛くて仕方がない一人娘のジョヴァンナだった。順調に見えた生活だったが、ある出来事で一変してしまう。第二次世界大戦前後という激動の時代の波にあおられる父と母と娘の三人家族の人生を、名匠アヴァーティが格調高く描いた本作は、本国でヒット。父親役を好演した名優シルヴィオ・オルランドは、08年ヴェネチア国際映画祭で主演男優賞に輝いた。2010年公開予定。
(イタリア映画祭HP作品情報より)

以下ネタバレあるかも・・・。

プーピ・アヴァーティの映画は胸がぎゅーっと締め付けられるような内容が多いのですが、この映画も例に漏れず。ミケーレの娘ジョバンナへの愛情は、見方によっては的はずれのものかもしれない。ジョバンナの病状も悪化してしまうのではとも思えてしまう。そんな彼の愛情表現は理解の域を超えると思う人もいるだろう。でもそもそも肉親の愛情とはそういうものなのかもしれません。エゴイスティックで、理不尽で、盲目的で、そして無限なのでしょう。

そんなミケーレに私の心は鷲掴みにされ、最後のシーンではぐずぐずと泣いてしまいました。映像を観て泣くというより、ミケーレの人生や家族への想いが胸に響き、その思いを反芻しては泣けてくる・・・というような状況で、上映後ミケーレ役のシルヴィオ・オルランドさんが舞台に出てきたときも、まだぐずぐずいってました。

これだけ泣けてしまったというのには、ジョバンナ役のアルバ・ロルヴァケルと、ミケーレ役のシルヴィオ・オルランドの演技力によるところも大きいと思います。

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そもそも「もうひとつの世界」(2002年イタリア映画祭にて上映。イタリア語タイトル「Fuori dal mondo」)を観て以来、シルヴィオの演技が好きでした。

でも、上映前後のシルヴィオの舞台挨拶と質疑応答で、ますます彼が好きになりました。

というのも、シルヴィオ自身はミケーレと似ていると思うかという質問への回答の中で、彼は

「ミケーレは完璧な人間ではないと思う。でも完璧なものから詩情は生まれない。不完全なものだからこそ、そこに詩情が生まれるんだ。」

と答えたのです。

このフレーズを聞き、そうそう、彼の演技、特に問題を抱えた不完全な人間を演じる時の彼の演技には詩情がある・・・と思ったのです。そしてそれが私の心に響く。。。

シルヴィオの素晴らしいコメントと、その空気を丸ごと伝えてくださった通訳の岡本さんに感謝です。
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by puntarellina | 2009-05-17 23:00 | イタリアあれこれ